で、実際splumeはどうなのかって話なんだけど、結論を先に言っちゃうと「仮想世界というより3DのSNSで、取っつきやすいが、現段階ではあまり可能性は感じない」。その理由を挙げていくと、以下のようになる。
カスタマイズ機能の低さ
まず、致命的なのはこの点。Second Lifeでは、何でもアリなくらいアバターもカスタマイズできるし、好きな動きをする好きなモノが作れてしまう。それに比べてsplumeでは、モノは作れないしアバターは基本5タイプに多少変更がかけられる程度。ほとんど同じようなキャラばかりで世界がうまってしまっている。
ユーザーが作成する多様なモノが世界に偶有性を与えているSecond Lifeと異なり、splume主催者が用意した世界で遊ばされている、という感覚が非常に強い。
SNSに特化した組み込み機能
カスタマイズ機能が低いからこそなおさら気になってしまうのが、この点。splumeのCRブラウザには、デフォルトで日記のやりとりやフレンズリストのようなものが組み込まれていて、自分では何もできないユーザーがsplume主催者から与えられた、この世界での唯一の楽しみといっても良いものだ。
3DSNSとしてはこれで良いと思うが、3D仮想世界のプラットフォームとしての可能性に惹かれている僕のような人間にとっては、単なるアプリケーションであることの宣言にも見えてかなり興味をそがれる。この程度のやりとりなら、mixiでやれば良い。
Second Lifeに輪をかけてわかりづらい世界構成
Second Lifeもかなりわかりづらいが、この世界の「空間」と「セル」の仕組みもかなりわかりづらい。Second Lifeは、どちらかといえば世界を「現実の地図」のように扱っている。地図があり、各エリアの地理的関係も存在する。エリア間の行き来ができたりできなかったりと、システム上ややわかりづらくなっている点はあるが、基本はあくまで「3D世界」なので、現実と同じような感覚で移動できることが多い。
一方splumeの場合は、(そのアーキテクチャ上の決定からか)世界を「Web」として見ているように見える。世界は互いに独立した「空間」から成っており、「空間」は互いにハイパーリンクでつながっていて、ワープして移動する。これは、「文書」の構造を示すには良いと思えるが、「3D世界」の構造を示すにはわかりづらすぎる。
ビジネスの匂いがしない
世界のあちこちには、既に「じゃらん」や「R25」の広告が満ちているが、後で参加したユーザーがビジネスをはじめられる気配があまりない。そもそも、現段階では世界の中に貨幣は存在しない。
管理嗜好の強さ
CNETの記事によると、アバター用アイテムのアップロードは課金があるが、お金を払えば自由にできるわけではなく、著作権侵害対策として運営側がチェックするらしい。ということは、リアルタイムのアップロードは無理なわけで、ユーザーからすると使い勝手の悪さという形で返ってくる。ビデオ共有サイトの戦いでもそうだったが、こういった、管理嗜好が強く、ユーザビリティを犠牲にする(要するにオープンでない)ような形のサービスにユーザーが群がることはあまりない。
今後どうなっていけば期待できる?
CNETのタイトルに「オープン」という言葉があったが、各セルがURIを持っており、世界をVRML2.0で記述できるという技術的なオープン性は持っているため、今後の展開によっては主催者が管理するサーバーに依存することなく世界を構築でき、Webのような3D世界の集合の基盤になる可能性はある。
しかし、現段階では作成した空間はsplumeに登録しなければならないため、結局は現在のWebのような広い意味でのプラットフォームのオープン性は備えていない(自分が作成したWebサイトを、必ずWebを牛耳るどこか1社-たとえばMicrosoftとかGoogleとか-にアップロードしなければ公表できないようなものだ)。また、今のままでは肝心の3D世界でできることが少なすぎるため、プラットフォームとしては貧弱すぎるだろう。
よって、こんな風にすれば良いんじゃないだろうか。
関連リンク:
「splume」を試してみた
カスタマイズ機能の低さ
まず、致命的なのはこの点。Second Lifeでは、何でもアリなくらいアバターもカスタマイズできるし、好きな動きをする好きなモノが作れてしまう。それに比べてsplumeでは、モノは作れないしアバターは基本5タイプに多少変更がかけられる程度。ほとんど同じようなキャラばかりで世界がうまってしまっている。
ユーザーが作成する多様なモノが世界に偶有性を与えているSecond Lifeと異なり、splume主催者が用意した世界で遊ばされている、という感覚が非常に強い。
SNSに特化した組み込み機能
カスタマイズ機能が低いからこそなおさら気になってしまうのが、この点。splumeのCRブラウザには、デフォルトで日記のやりとりやフレンズリストのようなものが組み込まれていて、自分では何もできないユーザーがsplume主催者から与えられた、この世界での唯一の楽しみといっても良いものだ。
3DSNSとしてはこれで良いと思うが、3D仮想世界のプラットフォームとしての可能性に惹かれている僕のような人間にとっては、単なるアプリケーションであることの宣言にも見えてかなり興味をそがれる。この程度のやりとりなら、mixiでやれば良い。
Second Lifeに輪をかけてわかりづらい世界構成
Second Lifeもかなりわかりづらいが、この世界の「空間」と「セル」の仕組みもかなりわかりづらい。Second Lifeは、どちらかといえば世界を「現実の地図」のように扱っている。地図があり、各エリアの地理的関係も存在する。エリア間の行き来ができたりできなかったりと、システム上ややわかりづらくなっている点はあるが、基本はあくまで「3D世界」なので、現実と同じような感覚で移動できることが多い。
一方splumeの場合は、(そのアーキテクチャ上の決定からか)世界を「Web」として見ているように見える。世界は互いに独立した「空間」から成っており、「空間」は互いにハイパーリンクでつながっていて、ワープして移動する。これは、「文書」の構造を示すには良いと思えるが、「3D世界」の構造を示すにはわかりづらすぎる。
ビジネスの匂いがしない
世界のあちこちには、既に「じゃらん」や「R25」の広告が満ちているが、後で参加したユーザーがビジネスをはじめられる気配があまりない。そもそも、現段階では世界の中に貨幣は存在しない。
管理嗜好の強さ
CNETの記事によると、アバター用アイテムのアップロードは課金があるが、お金を払えば自由にできるわけではなく、著作権侵害対策として運営側がチェックするらしい。ということは、リアルタイムのアップロードは無理なわけで、ユーザーからすると使い勝手の悪さという形で返ってくる。ビデオ共有サイトの戦いでもそうだったが、こういった、管理嗜好が強く、ユーザビリティを犠牲にする(要するにオープンでない)ような形のサービスにユーザーが群がることはあまりない。
今後どうなっていけば期待できる?
CNETのタイトルに「オープン」という言葉があったが、各セルがURIを持っており、世界をVRML2.0で記述できるという技術的なオープン性は持っているため、今後の展開によっては主催者が管理するサーバーに依存することなく世界を構築でき、Webのような3D世界の集合の基盤になる可能性はある。
しかし、現段階では作成した空間はsplumeに登録しなければならないため、結局は現在のWebのような広い意味でのプラットフォームのオープン性は備えていない(自分が作成したWebサイトを、必ずWebを牛耳るどこか1社-たとえばMicrosoftとかGoogleとか-にアップロードしなければ公表できないようなものだ)。また、今のままでは肝心の3D世界でできることが少なすぎるため、プラットフォームとしては貧弱すぎるだろう。
よって、こんな風にすれば良いんじゃないだろうか。
- splume主催者が管理を手放す
- 他業者が「空間」をホスト可能にする
- 素材のアップロードをYoutubeのような事後チェック方式に変更する
- CRブラウザ以外から仮想世界にアクセスできるようにする
- splumeの拡張性を高める
- アバターの種類を固定化するのではなく、もっとユーザーが自由に作れるようにする
- 動作可能なモノを作れるようにする
- RMTを導入する
- ユーザーが自分のアイデアでビジネスを起こせ、現実世界にフィードバックできるようにする
関連リンク:
「splume」を試してみた
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