ウェブ進化論をやっと読んだ

僕は、大手のシステムインテグレーターに勤務している28歳だ。主に大企業のシステム発注を受け、スクラッチ開発して稼いでいる。
多くの正社員は技術についてそこまで詳しいわけでもなく、技術に重きを置いている人も少ない。ほとんどの正社員は、専らプロジェクト管理やらリスク管理やら顧客折衝やらをやっている。ウェブ進化論の言葉を借りれば、旧世代で、ロングテールをすくうにはコストが大きく、不特定多数無限大への信頼はなく、こちら側のシステムを開発しているような企業だ。そこで、僕は方式設計やソフトウェアアーキテクチャの構築をやっている。

ネットの世界に住んでいる、というほどではないが、仕事もPC上でやるし、GMailもGoogle CalendarもdeliciousもGoogle PersonalizedSearchも使っているし、オープンソースソフトウェアも使っている。Google ReaderでRSS配信されたBlog情報を日々読み漁ってもいるし、こうしてBlogを書いてみようとも思っている。仕事をすすめる上で、ネット上の組織・個人の情報を利用するのも日常茶飯事だ。あまり積極的に情報を配信しているわけではないが、それなりにネットとかかわって生きている。

さて、自分とそのまわりで起きている変化といえば…
まず、職場では…
  • オープンなツールの採用が加速
    • システムの一部としても、開発環境としても
  • Web2.0の流行に伴う、Ajax流行の兆し
  • オープンソースの拡大により、開発者の裾野が増加
  • 開発環境のオープン化、コモディティ化により、ある一定レベルまで達した開発者が劇的に増加
  • 社外技術者との交流が増大
  • SIビジネス自体に対する懐疑心の広がり
  • 自社の仕事の進め方に対する懐疑心の広がり
    • Googleに伝え聞くような高生産性の職場に比べた、官僚的な職場への失望
    • ISMSによる過剰なセキュリティ対策によるさらなる縦割り化進行
そして個人では…
  • マスメディアへの依存度はますます低下
  • RSS+Blog+ソーシャルブックマークによる、浅く(マスとは比較にならないほど)広い情報収集が加速
  • クライアント側で持つ情報量が減少、サーバー側で持つ情報が増加の一途を辿る
  • ポータブルな個人環境がいつの間にか実現
てなわけで、PCの機能・性能に対する要求は間違いなく低下している。ゲイツの考える未来に魅力を感じることもあまりない。今、PCの価値といえば、数多くの周辺機器(デバイス)がストレスなく扱えるということくらいだ。iPodとかWebカメラとか、デジカメとかそういうやつね。でも、本当にその程度だ。大半の時間はWeb上のサービスに使っている。クライアント内に転がっている、死んだネズミみたいに動かないコンテンツより、ネット上の日々変化し続けるコンテンツの方が面白いに決まっているのだ。

ウェブ進化論について、理解できた気がするところ、そうでもないところも含めて以下のようなトピックでまとめていきたいが、とりあえず…Googleや成功するWeb2.0企業がたどってきた足跡を、必要以上に歴史の必然のように扱うのはやめることにする。環境と、多様な生態系と、時間と…その中から淘汰されて、奇跡的に生き残ってきたのがGoogleなのだ。研究開発のように、大多数の無駄死の上に成り立っているいることは、忘れちゃならない。だから、Googleが築き上げてきたものがすごかったとしても、Googleは絶対じゃない。Googleが一見正しい判断を下し続けてきたように見えても。
だから、Googleを分析することで、Googleが辿ってきた足跡をたどれると思うのはたぶん意味がない。同じことを二度起こせるほど世界は単純じゃないし、同じ環境は二度と戻ってこないのだ。当たり前だけど、これを出発点にする。

■Google&Web2.0

■User Generated Contents

■情報革命の位置づけ

■SI企業の立場から
・Googleを支えた三大潮流を、SI企業はなぜ活かせなかったのか?
・SI企業は、今からこれらを活かすことはできるのか?
・これらを受け入れるためのマインドセットとは何なのか?
・では、三大潮流はSI現場をどう変えたのか?

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