2007年1月5日金曜日

働くこと、働き方

NBOlineに、似たトピックを扱う2つの記事が掲載された。

2007年を斬る: 「働く」って何だっけ?
by 水野 博泰氏
残業大国ニッポンを憂う
by 宋 文洲

両方を読んでみたが、この2つは相互に対立する意見ではない。だが、個人的には水野氏の意見により深く共感する部分があった。
宋氏の主張のとおり、残業もしくは不払い残業がなくなるのを歓迎する人は多いだろう。ただし、それとは別に、水野氏が描写したような成果主義の問題点は解決する必要があるだろうし、知識が価値を失う社会で必要な変化というのもいずれ生じてくることになるだろう。

少なくとも僕の周囲に限って見ると、水野氏は今の日本の…特に大企業の状況を的確に描写しているように思える。知識はその価値を失いはじめており、自らのスキルを高めたい、プロフェッショナルとして成長したい人間ですら、社内だけではどうすれば自分を高められるかわからない状況。これにうまく機能していない成果主義が追い打ちをかけ、アマチュアリズムが蔓延する。
そんな状況をふまえたうえでの、徒弟制が復活するとの予見はおもしろい。かなりの数の若手が望んでいる、知識を超えたプロフェッショナリズムの追求を助け、より正確な評価を可能にする可能性があり、個人的には是非実現して欲しい、実現させたい未来だ。実現を予感させるようなものはいくつかある。インターネットが浸透した結果、企業を超えた個人同士の結びつきが急速に広まり、志の高い者は先達を自ら発見し、ともに学ぶという状況が広がりつつある。この状況の裾野を広げ、部外や社外にまで踏み出せないような者にも機会を与えることはアマチュアリズムの蔓延に歯止めをかけることができるかもしれない。
昨今急速に広がった”金銭的報酬を強く打ち出す”という方向性は、それはそれで存在しても良いが、それのみという状況は僕や僕の周囲にいるような人間が望んでいる状況ではない。

ホワイトカラー・エグゼンプションを以上のような視点でとらえると、コンセプト自体には反対ではないが、成果の評価方法や妥当な基準、合致しやすい職種やしづらい職種の識別、職種ごとの運用方法など、実施するためのインフラがあまりに未成熟なのを見るにつけさらなるアマチュアリズムの蔓延を招きかねず、時期尚早だと思えるのだ。理論的に正しい成果主義の運用なんて望んでないし、不可能だろう。多くの人が納得できる運用が、ホワイトカラー・エグゼンプション導入のインフラになる。オフィシャルな従弟制が助けになるかもしれない。ホワイトカラー・エグゼンプションが適切に導入されれば、残業時間を公正に減らす道も見えてくるだろう。

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